インド最初期仏教への誘い

現存するパーリ語仏教経典からの引用による仏教紹介。

ゴータマ・ブッダが説く「色(物質、容姿)の楽味とは何か?」四聖諦を理解するために。「苦Dukkhaドゥッカ」の意味とは?大苦蘊経 PART10[次第説法43 色(物質、容姿)の楽味]


↑前回の続きです。
今までは↓

一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。


すなわち、布施の話、戒の話、天の話、もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。


世尊は、ポッカラサーティ・バラモンが従順な心になり、柔和な心になり、障りのない心になり、向上する心になり、浄らかな心になったことをお知りになると


もろもろの仏が自ら称賛する法の教えをすなわち、


苦・集・滅・道 [苦 ・苦の生起・苦の滅尽・苦の滅尽にいたる行道という四聖諦]を説き示された。


すると、ちょうど染みのない清浄な布が完全に染料を受けとるように、
ポッカラサーティ・パラモンには、即座に、


「生じる性質のものはすべて滅する性質のものである」という、
塵を離れ垢を離れた法の眼✽1が生じた。 


さて、
法を見、法を得、法を知り、法を深く解し、疑いを渡り、疑惑を離れ、
師の教えにおいて、自信を得、他に依ることがない、ポッカラサーティ・バラモンは、世尊にこう申し上げた。〜


✽1 註釈書には預流道が意趣されるとの記載あり。


この中での、
『もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。』


としましてパーリ語仏典 中部経典第13 大苦蘊経(mahaa dukkha khanda sutta)の中で、欲の楽味、欲の危難、欲の出離とは何か?をご紹介してきました。


今回から色(物質、容姿)の楽味、危難、出離とは何か?をご紹介していきたいと思います。)  片山一良訳 大蔵出版 P242~から引用


色の楽味
「つぎに、比丘たちよ、もろもろの色の楽味とは何か。
たとえば、比丘たちょ、王族の娘か、バラモンの娘か、資産家の娘がおり、年齢は十五歳(注)か十六歳で、高すぎず低すぎず、痩せすぎず、太りすぎず、黒すぎず、白すぎないとします。
比丘たちよ、その頃の彼女は、最も美しく輝いています」


「おっしゃるとおりです、尊師よ」


「比丘たちよ、その美しさと輝きによって生じる楽・喜これがもろもろの色の楽味です」


(注釈)
なぜ、この年齢が限定されたか。〈美しさの完成を示すためである。
苦しい家庭に生まれた女性でも、この時期には少しずつ美しく成長し、清まる。ただし、男性の場合は二十歳、二十五歳の時期に清まる〉。
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物質、容姿に関して言えば、確かにそれはそうでしょうと思われます。人の好みはそれぞれと思いますが。
次回は、色の危難について述べたいと思います。

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