インド最初期仏教への誘い

現存するパーリ語仏教経典からの引用による仏教紹介。

善行為を行うと天に行き、再び生まれ変わり、吉祥相を備えて、王かブッダに。[次第説法25 布施⑪ 天界の話④]


この続きです。釈尊の過去世において、
四摂事
(1) 布施
(2)愛語(親愛の語)
(3)利行(利他行)
(4) 同事
(協同による。物事において同事なること。それぞれの人に対して、自分と同じにすること)


を行うことによって、その後どうなったか?の記述です。本当の話だったら凄いと思います。
(長部経典 第30経 相好経 P311 片山一良訳 大蔵出版)


手足の柔軟、網目の相


「比丘たちょ、如来は、先の生まれ、先の生存、先の住処において、かって人間の身に生まれ四摂事によって、すなわち、
布施によって、
愛語によって、
利行によって、
同事によって、人々を摂取する(愛護する)者となりました。


かれは、その業が作られていることから、積まれていることから、豊富であることから、広大であることから、身が滅ぶと、死後、善道の天界に生まれかわります。


かれは、そこで、他の神々を、十の事柄について、すなわち、天の寿命について、天の色について、天の楽について、天の名声について、天の主権について、天のもろもろの色について、天のもろもろの声について、天のもろもろの香について、天のもろもろの味について、天のもろもろの触れられるものについて、凌駕します


彼はそこから没し、この状態に来る者となり、つぎの二の大人相を獲得します。 柔らかい、しなやかな手足をそなえる者、また、網目のような手足をそなえる者になります。


それらをそなえるかれば、もし家で暮らすならば、転輪王となり、正しく治める者として、法王として、四辺の主として、征服者として、国土を不動のものにし、七宝をそなえた者となります。 


すなわち、かれには、輪宝、象宝、 馬宝、宝石宝、 婦人宝、資産家宝、第七として将軍宝という、これらの七宝が現われます。


 またかれには、千人を超える、勇敢な、凛々しい姿の、敵軍を撃破する子たちが現われます。
かれは、この大海を周辺とする大地を、荒くれのない、元凶のない、棘のない、豊かで、富裕な、安穏で、幸福な、汚濁のないものとして、棒によらず、刀によらず、法によって征服し、暮らします。


王となり何を得るのか。 従者がよく摂取された者になります。彼には、よく摂取された者として、バラモンや資産家、町の人々や地方の人々、財務官や大官、衛兵、門衛、大臣、臣下、諸王、領主、王子たちが現われます。
王となり、これを得ます。


一方、もし家を捨てて出家するならば、阿羅漢、正自覚者となり、世の覆いを開く者となります。


仏となり、何を得るのか。 従者がよく摂取された者になります。
かれには、よく摂取された者として、比丘、比丘尼、男性信者、女性信者、神々、人間、阿修羅、龍、ガンダッパたちが現われます。
仏となり、これを得ます


このことを、世尊は説かれた。


それについて、つぎのように説かれる。


布施、利行、また愛語、同事によって、多くの者に摂取(愛護)をよく行なって尊い徳により天界へ行く


没し、再び、ここに来て輝き、愛され、見目麗しい手足の柔軟、そして網目を
幼く若い王子は得る


従者は忠実、従順にして この地に住み、よく摂取される
愛語をそなえ、利・楽を願い かれは美しい諸徳を行なう


欲楽すべてを、また捨てるならば勝者となり、人々に法話を語る
かれらは言葉に報い、喜び聞いて、法と随法を行じる

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