【超重要】サーリプッタ尊者が説く「初めての方のための仏教の学び方」これだけ理解すればまず仏教は十分。PART2 本編[次第説法31 欲の欠点、危難⑥ 離欲の利点、功徳④]
前回の続き、PART2です。
デーヴァダハ経 (Devadaha-sutta)相応部経典5 蘊(うん)相応 ナクラピターの章 片山一良訳 大蔵出版 P48~ から引用
尊者サーリプッタはこのように言った。
「友らよ、種々の国に行った比丘に質問をする者たちがいます。
王族の賢者たちもいます。 バラモンの賢者たちもいます。 資産家の賢者たちもいます。 沙門の賢者たちもいます。
友らよ、賢い人間たちは考察するものです。(意味、利益を探求するものです。)
「いったい尊者方の師(ブッダ)は何を説き、何を語られるのか?」と。
友らよ、このように問われたならば、あなたたちはつぎのように解答すべきです。
「友らよ、われわれの師は 欲と貪りの調伏(ちょうぶく)を語るお方です」と。
(注釈 欲(chandaチャンダ)と貪り(むさぼりraagaラーガ)の調伏(ちょうぶくvinayakkhaayii 引用者注 抑える。)
友らよ、このように語られても、さらにまた質問をする者たちがいます。 王族の賢者たちもいます。 バラモンの賢者たちもいます。資産家の賢者たちもいます。沙門の賢者たちもいます。
友よ、賢い人間たちは考察するものです。
「それでは、尊方の師(ブッダ)は、何に対する欲と貪りの調伏を語るお方ですか?」
友らよ、このように問われたならば、あなたたちはつぎのように解答すべきです。
「友らよ、
師は色 に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。
師は受 に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。
師は想 に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。
師は諸行 に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。
師は識 に対する欲と貪りの調伏を語るお方です」
と。
(注釈 五蘊(うん)
色 物質、身、身体、のこと。
以下は心の構成要素。
受 感受作用のこと。(引用者注 感覚のこと。楽しい感覚、苦しい感覚、どちらでもない感覚など。)
想 想念、判断作用のこと。 (引用者注 概念、印象。映像、赤、白、黄色などの色の識別など。)
行 意思、形成作用のこと。(引用者注 エネルギー、形成力。やる気、気持ち。例えば毎日ラジオ体操、ラジオ語学番組を聞こうと決意しても次第にやる気が続かなくなってしまうなど。)
識 意識作用のこと。(引用者注 認識など。))
友らよ、このように語られても、さらにまた質問をする者たちがいます。王族の賢者たちもいます。 バラモンの賢者たちもいます。資産家の賢者たちもいます。沙門の賢者たちもいます。
友よ、賢い人間たちは考察するものです。
『それでは、尊者方の師(ブッダ)は、どのような危難(禍わざわい、苦)を見て、
色、受、想、諸行、識に対する欲と貪りの調伏を語るお方ですか。? 』と。
友らよ、このように問われたならば、あなたたちはつぎのように解答すべきです。
「友らよ、 色、受、想、諸行、識
に対する貪りを離れず、欲を離れず、愛着を離れず、渇望を離れず、熱悩を離れず、渇愛を離れない者には、
その色、受、想、諸行、識が変化し変異することにより、愁い・悲しみ・苦しみ・憂い・悩みが生じます。
友らよ、われわれの師は、この危難(禍)を見て、色、受、想、諸行、識に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。』と。
友らよ、このように語られても、さらにまた質問をする者たちがいます。王族の賢者たちもいます。 バラモンの賢者たちもいます。資産家の賢者たちもいます。沙門の賢者たちもいます。
友よ、賢い人間たちは考察するものです。
『それでは、尊者方の師(ブッダ)は、どのような功徳(利益)を見て、 色、受、想、諸行、識に対する欲と貪りの調伏を語るお方ですか。? 』と。
友らよ、このように問われたならば、あなたたちはつぎのように解答すべきです。
「友らよ、 色、受、想、行、識に対する貪りを離れ、欲を離れ、愛着を離れ、渇望を離れ、熱悩を離れ、渇愛を離れる者には、
その色、受、想、行、識が変化し変異することにより、愁い・悲しみ・苦しみ・憂い・悩みが生じません。
友らよ、われわれの師は、この功徳(利益)を見て、色、受、想、諸行、識に対する欲と貪りの調伏を語るお方です。』と。
PART3へ続く。~