インド最初期仏教への誘い

現存するパーリ語仏教経典からの引用による仏教紹介。

ゴータマ・ブッダが一般人に薦める五つの戒め[次第説法26 戒の話①]



↑この続きです。
一方に坐ったポッカラサーティ・バラモンに、世尊は、順々の話[次第説法]をされた。
すなわち、布施の話、
戒の話天の話、もろもろの欲望における危難、卑劣・汚れを、離欲における功徳を説明された。~
もろもろの仏が自ら称賛する法の教えをすなわち、
苦・集・滅・道 [苦 ・苦の生起・苦の滅尽・苦の滅尽にいたる行道という四聖諦]
を説き示された。


今回から戒の話になります。


ゴータマ・ブッダその人は、人間が幸せになるために、人間が守るべき、戒めとして五つを挙げておられるようです。
五怖怨(ふおん 五つの恐怖きょうふと怨みうらみ)経 相応部経典3 片山一良訳 大蔵出版 P287から引用
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 資産家よ、殺生者(せっしょうしゃ)は殺生(生き物を殺すこと)を縁として、現世にも怖怨(ふおん・恐れと怨み)を生み、来世にも怖怨を生み、心の苦である憂いをも感受しますが、
 殺生を離れている者にはこのような怖怨が静まっています。


資産家よ、偸盗者(ちゅうとうしゃ)は偸盗(盗み。与えられないものを取ること。)を縁として、現世にも怖怨を生み、来世にも怖怨を生み、心の苦である憂いをも感受しますが、

偸盗を離れている者にはこのような怖怨が静まっています。


資産家よ、邪姪者(じゃいんしゃ)は邪姪(諸欲における邪行・所謂よこしまな性行為、不倫etc引用者註 )を縁として、 現世にも怖怨を生み、来世にも怖怨を生み、心の苦である憂いをも感受しますが、
邪姪を離れている者にはこのような怖怨が静まっています。


資産家よ、妄語者(もうごしゃ)は妄語(嘘をつくこと。)を縁として、 現世にも怖怨を生み、来世にも怖怨を生み、心の苦である憂いをも感受しますが、
妄語を離れている者にはこのような怖怨が静まっています。


資産家よ、飲酒者(おんじゅしゃ)は飲酒を縁として、 現世にも怖怨を生み、来世にも怖怨を生み、心の苦である憂いをも感受しますが、
飲酒を離れている者にはこのような怖怨が静まっています。


まあ確かにこれら①から④番目を行うと、人知れずやったつもりでも、その瞬間から自分の心に
「誰かにいつかバレやしないか?」とおびえ、恐怖が生まれ、不幸を感じてしまうことは確かですね。


ましてや、バレてしまったらなおさらのこと、人の恨みを買ってしまうことは確かですね。


何も後ろめたいことがなければ、自分の心は、いつも正々堂々として何ら後顧の憂いはないものになりますね。


いつもおびえ、後ろめたさがないので、自分の心はスッキリしている。

自分の心だけは騙せないんですね。自分の心だけはそのことを知っている。
なので自分を幸せにできるのは、自分の心の正直さだけなのだと思います。


⑤番目も酒の席、酔っぱらうことにより失敗、言うべきでない発言での失敗等、人の怨みを買うことがあるでしょうね。それとアルコールの飲み過ぎによる健康被害、脳障害、老化促進などを被る確率も高くなるとは思います。


確かにアルコールを飲みながら、仕事、勉強、車の運転をして、良い結果が出るわけはないのですからね。
また酔っぱらいながら、人の話をきちんと聞けるわけもないですからね。


目先の快楽、ストレス発散の目的で飲むアルコールでも、それを控えているならば、いつでも頭脳明晰で冷静な判断ができる状態でいられることは確かだと思われます。


この五つの戒めを守ってはいかが?というゴータマ・ブッダの在家一般人へのアドバイスでした。

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